漆喰材料作るのも一日がかり

たびたびご紹介していますが、道後温泉本館の修復工事、今回は材料のお話です。

10月20日、何にやら倉庫の方から磯(海)の香りが漂い、行ってみるとアツアツの寸胴の中にネバネバした黒い液体が。

炊き出しでもしているのかと思ったらどうやら違うみたい。

話を聞くとことによると、本館の壁に塗る材料の漆喰(しっくい)を作っているとのこと。

漆喰は知っているけど、どのように作るのかは…早速、調べてみました。詳しくは他の材料メーカーさん等のホームページに書いてあるので、今回は大まかに紹介。

漆喰は ①消石灰 ②すさ ③糊 が原料

順番が逆ですが、まずは③の糊から。保水性を高めて塗るときに乾燥しにくいようにする材料です。

「銀杏草」草と言っても海藻のようで、冒頭の写真のように寸胴鍋で煮込んで糊状にします。昆布などのネバネバ成分と同じですね。

続いて②の「すさ」と呼ばれる繊維を亀裂防止のために入れます。今回は「南京すさ」という麻すさを使用します。

購入したものは固まっていて、そのままでは使えないとのことで、竹の棒や刷毛でほぐしていきます。まるで犬の毛のよう。これが丸一日時間がかかり、大変そうでした。

 

それをハンドミキサーで①の消石灰と混ぜ合わせます。配合に関しては気温や湿度で微妙に調整し、その加減が職人技!

   

そして袋に入れて保管。事前に練り混ぜて保管することで、「すさ」が馴染みちょうど良い具合になるとのこと。

漆喰は空気にに触れて固まり、その際に化学物質も吸着させ、その効果が100年くらい続くと言われています。

また殺菌交換も高く、日本の気候に合った材料です。古来から日本人に愛されてきた材料。

ただ難点はとても手間がかかるだけですね…(S)

2020.10.21  | カテゴリー:お知らせ, ハマサキ便り, 未分類